「自己紹介ページ」を訪れていただきありがとうございます。有彬 智稀(ありすぎともき)と言います。

「有彬 智稀って言われても、一体何者かわからんぞ!」

 そんな、ものすごく「常識的!」なあなたのために有彬 智稀がナニモノかの自己紹介をさせていただきます。少しの時間、お茶でも呑みながら「気軽な気持ち」でご覧くださいませ。

30代40代は「考える余裕」がなく過ぎてしまうもの

 このタイトル。もちろん私個人の感想です。
 でも、あらためて人生を思い返してみると、30代・40代の時に「仕事人間」にならずに、たまには自分を振り返ってみる余裕があったら、全く違った「今」を生きていたのかな。

 ということで、有彬 智稀が40代後半から現在、未来に至るまでのストーリーをお伝えいたします。

「こんな人生もあるんだな」
なんて感じて思ってもらえたら幸いです。

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「会社に行きたくないなぁ」 
 声には出さないが、毎朝起きてから会社につく瞬間までそう思っていた。
 朝に限ったことではない。「会社」「仕事」「人生」に関するネガティブな言葉が、24時間365日常に湧き出てくる。

 それでも、仕事に行くし、一応真面目に働く。

「そんなに嫌なら手を抜けばよいのに」
「仕事やめちゃったら?」
―――それができたら苦労しない。

 私にとっての40代はそんな毎日の繰り返しだった。

 平成から令和。新しい時代の誕生。20世紀が21世紀に変わったときほどの期待感はないけど、ちょっとは世の中の人たちはワクワクしている。 
 でも、その頃の私にはそんな空気さえ無縁。「昨日」の延長線上でしか「今日」も「明日」も「もうちょい先の未来」も見えてこない。そんなものだった。

「あと十何年したら定年退職になって、少しは楽な生活になるかな……」

 漠然とそんな風に考えてみる。
 そんなときは決まって、どこからともなく話しかけられる。

「あんたアホか? 定年退職って、ちゃんと考えてないやろ。老後に働かなくても生活できる生活費、いったいどこにあるんや?

<もうひとりの私のささやき>

 リアルな私は<もうひとりの私のささやき>を徹底的に無視。「もうひとりの私」は関西生活が短いくせに、やたらと様にならない関西弁を使いたがるのが特徴なのです。

「フラフラする…」
 疲れが溜まっていても体調が悪くても、仕事は休んじゃいけないもの。休むと他の人に迷惑をかけるし、翌日の自分に数倍になってツケが回ってくる。


「でも、やっぱりダメ。耐えられない」
 ワイシャツを着ている途中で倒れ込み、その日は仕事を休むことにしました。

 それでも午前中は「あの仕事どうなったかな?」「取引先に電話して締切のばしてもらわないと」など、半分仕事状態。

「だからいつも言ってるやないか。疲れてるゆうのは『休め』っちゅうサインなんや。このままじゃ本気で心も身体も壊れていくで」

<もうひとりの私のささやき>

 午後になって少し落ち着くと、また変な関西弁が聞こえてきました。

 いつもなら徹底的に無視するところ。でも、会社休んだことで少し気持ちに余裕が出てきた。<もうひとりの私のささやき>に向き合ってみると、自分の置かれている状況が「ものすごく危険」だってことがわかってきた

「たしかにそうだよな。でも、働かないわけにもいかないし。どうすればいいんだろう」

「だったら仕事を辞めなくても楽になる方法を考えればええやろ」

<もうひとりの私のささやき>

 真っ暗闇。
 不安で仕方がない中、小さなローソクに灯りがともって「ホッ」とする。
 人生好転の「きっかけとなる出来事」は、極限までボロボロになった状態の時に起こるもの。そんなことに気づきました。

新たな選択肢との出会い

 その1ヶ月後、私は降格と一般職への転換を申し出て、翌年配置転換となりました。これで仕事のストレスが大幅に軽減。そして、減ったストレスと同じくらいに年収も激減しました。

 いや、これじゃ生活できないだろ…。

 でも大丈夫。ちゃんと考えている。

「もしかして場違いなところに来ちゃった?」

 名刺交換会。フリーランスや自営業、経営者が多い中、自己PRできるものが何もない、ごく普通の会社員の私。その場にいること自体が違和感でしかない。

 そもそも名刺交換会の必需品は名刺。私の場合、それは名刺作成ソフトで作った「間に合わせ」のもの。名前と連絡先とメールアドレス、そして「フリーランス準備中」の文字。

 あらためて名刺を眺めてみる。
「うーん、絶対に怪しい人の名刺だ。初対面の人に見せられる代物じゃないよ、これ。名刺を持ってくるのを忘れたことにしようかなぁ」

「何言っとるんや。積極的に自分をアピールしないとあかんやろ」

<もうひとりの私のささやき>

 「そうは言うけど……。こんな名刺じゃなあ」

 ひとりで名刺を見ながらブツクサ言っていると、30代くらいの男性と思いっきり目が合った。ちょっと気まずい……。でもそんな私の気持ちとは裏腹に、その男性は笑顔で話しかけてきた。

「いまよろしいですか?」
 見た目から印象するよりも2オクターブくらい低い声で話しかけてきた。

「……は、はい」
 突然話しかけられたので、気持ちの準備ができていない。とりあえずの作り笑顔と裏返った声で返事をした。

「どうですか? 本を出したいと思いませんか」
 唐突だ。あまりにも唐突すぎる。道を歩いていて突然そんなことを言われたら猛ダッシュで逃げ出すはず。でもここは名刺交換会の場。逃げ出す必要もない。とりあえず、私はその人の話を聞くことにした。

「本と言ってもですね、紙の本じゃないんですよ。電子書籍です。知っていますよね」

 もちろん存在は知っている。でもだからといって、なぜこの人は初対面の私に「本を出す」なんて話をしてくるんだろう。何かのプロフェッショナルな人と勘違いしたのかな?

「電子書籍の登場で、今は誰でも本を出版できる時代になったんですよ。お金がかからないどころか、印税だって入ってくるんです」
 そうかぁ、出版するのにお金がかからないのか……。確かに紙の本のように色々なコストが掛からない分、それが可能になったんだろうなぁ。
 でも、誰でも出版できるって言うけど書くネタがなければ誰も買ってくれないだろう。

「電子書籍は内容よりもタイトルと表紙。その2つで注目を集められれば、ベストセラーなんて簡単に取れますよ」

「え、そうなんですか?」

 20代くらいまでの私の夢のひとつに「作家」というものがあった。自分の書いた小説で世界中の人に感動を与えたい。そんな壮大な夢……ではなくて「印税生活って楽で良さそう」という不純な動機からくる夢。不純な動機だからこそ当然実現するわけなく、ありきたりのサラリーマンになっていったわけです。

「まあ、もちろんニーズがなければダメですけどね。たとえば小説とか詩とかは難しいですね。素人が書いたものを読みたいと思う人はあまりいないんで」

 一瞬のうちに「もう一度小説家にチャレンジしてみるか」という夢は砕け散った。

「ニーズを調べて表紙とタイトルに力を注ぐ。それだけで簡単にベストセラー作家になって、印税で稼げるようになっていきます。今、無料セミナーを開催しているんですが、よかったら話だけでも聞いてみませんか?」

「はあ……」

電子書籍 書き方 と入力

名刺交換会で話しかけてきた男性は「高額商品を売り込みたいオーラ」を出しまくっていました。
 だから私はそれに対抗。
電子書籍には興味がないオーラ」で逃げるようにその場を去っていきました。

 でも、本当はものすごく興味がある。だから、帰りの電車の中でスマホで検索。
 その結果わかったことは以下の通り。
・出版するのにお金が不要
・1万~3万文字程度で出版できる
・印税は7割もらえる

「印税7割か。すごいなぁ。一攫千金も夢じゃないかも。内容よりも『タイトル』と『表紙』なんだったら自分にもできる。なーんだ、案外簡単にフリーランスで生活できるかも」

 これを読んでいただいている方はおそらく賢明な方々。ツッコミどころ満載なひとり言をつぶやく私に「目を覚ませ!」と言ってくれたことでしょう。

 でも残念ながら「ひとり言」だったので誰からもツッコまれず、1冊目、2冊目……。気づいたら半年の間に8冊を出版。肝心な売上は半年のトータルで5,672円。

「はじめはそんなもんじゃないの?」
 そうおっしゃる方もいるでしょうけど、私は8冊出版するのに少なく見積もって160時間はかけている。

 ということは、

 5,672 ÷ 160 = 35.45

 つまり、時給は35.45円

 あれ? こんなはずじゃなかったよな。

大きな間違い

 新規の顧客だけで商売をしようとしても売上が上がってくるものではありません。電子書籍で「内容」よりも、表紙・タイトルだけ良くしたのは「新規顧客」だけで商売しようとしているのと同じこと。

 パッケージだけ良くて中身がボロボロの商品なんてリピーターにつながらないわけで……。だから8冊出版しても、相乗効果も生まれなかったのです。

「言わんこっちゃないやろ。楽して稼ごうなんて考えても所詮は無理なんや」

<もうひとりの私のささやき>

 なんとかしなきゃいけない。このままじゃ給料が減っただけ……

「本気でやるしかないやろ」

<もうひとりの私のささやき>

 確かにそう。本気でやるしかない。

 本格的にライティングを学ぶ。そして華々しくベストセラーをとって、稼げる人になる。

 そして……

夢は少しずつ

 私は本格的に勉強を開始した。

 ライティング
 マーケティング
 心理学
 脳科学
 コンテンツ制作
 デザイン
 アニメーション……

「欲張りすぎだろ」
「どれも中途半端になるぞ」
「仕事しながらそこまでやるのは無理」

 客観的に考えるとそうかもしれない。それでも、私はやり遂げていける。そんな自信を持っている。だって、勉強すること、学ぶこと、新しい知識を得ることが何よりも好きだから。

 登山家は「なぜ山に?」と聞かれて「そこに山があるから」と答える。
 私は「なぜ学ぶ?」と聞かれて「そこに得たい知識があるから」と答える。

 時給35円で本を書いていた私は、決意した7ヶ月後の2021年3月に電子書籍『50代、貯金ゼロからの成功術(お金になるスキル発掘編)』でベストセラーを獲得した。

 その後、ライティング講師、ライティングのコーチ、校正、コンテンツ販売。そしてUdemyでリリースしたライティング講座『共感ライティング特訓塾』はベストセラーになる。

 自分が「書いたもの」を読んで、気づきを得る人がいる。そのことは私が夢に向かって前進していくうえで、大きな原動力となっている。

 私は「書くこと」が「天職」であることに気づいて人生が大きく好転した。

 50代にして習慣化した「毎日勉強」「毎日執筆」「毎日運動」は100歳まで続けていきたい。そして、100歳になった時、それまでの素敵な人生を振り返って渾身の1冊を書く予定にしている。

 過去のどんな作品よりも「自己評価」の高い1冊。それを世の中に遺すために。