人生100年時代。寿命が延びることはいいこと。でもそれに伴い、老後に必要なお金も増えていくことは事実。

 そんな時代に最後まで人生を楽しむ生き方として、
「生涯の天職を探す」をテーマにお伝えしていきます。

人生100年時代 | なぜ生涯の天職が必要?

 なぜ生涯の天職が必要か? 

 それに対しての答えはたくさんありますよね。その中でも特に私が大切だと思うのは以下の「3つの理由」です。

  1. 働かないと生きていけない時代だから
  2. 働くことで毎日が充実するから
  3. 働くことで社会に貢献できるから

 今回の記事では、その「3つの理由」について掘り下げていきます。

1. 働かないと生きていけない時代だから

 もしあなたが貯金がたくさんあって、定年退職後は仕事しなくても大丈夫だと思えるのであれば「働かない」も選択肢になります。

 

 でも、働かなくてもいい基準って分かりづらいですよね。よく言われている老後2,000万円問題。これは「老後の30年間で約2,000万円が不足する」というもの。

 2,000万円あれば老後の生活は安泰。本当でしょうか?

 ぞもそも前提条件が現在の年金制度で、現在の物価。そして95歳まで生きるというお話。2,000万円あれば働かなくてもいいわけではないのです。

つまり、、、

  • 年金支給額が下がれば生活できなくなる
  • 物価が上がれば生活できなくなる
  • 長生きしたら生活できなくなる

 現状を考えると、年金は65歳で受給開始して以降、100歳まで同じ金額が受給できるとは思いにくいですよね。

 仮に年金が全くアテにならないとしましょう。その場合、65歳から100歳まで働かないで生きていこうと思うと……

 65歳で退職後、年間400万円の生活を35年間続けるために必要な金額は、
 400万 ✕ 35年間 = 1億4千万円

 物価変動等は一切考慮していないので、インフレが進めばさらにその金額は増えます。なかなか厳しい状況です。

 もちろん、年金は支給されるでしょう(そう思いたいという願望も含みますが)。でも現状を考えると、どこまで頼ってよいのかが謎ですよね。

 ある程度貯金がある場合でも、身体がゆるす限り働き続けるためのスキルをもっていたいものです

2. 働くことで毎日が充実するから

 老後は悠々自適に暮らしたい。

 そう思っていても、数十年働き続けてきた人にとっては「仕事していること」がスタンダード。仕事はつらいことも多い。でもいざ仕事をやめると、働いていた毎日が充実していたことに気がつくものです

 もちろん「いやな仕事」を、定年退職後に何十年も続けることはきついでしょう。でも「天職」と思える仕事であれば、充実した生活につながっていくはずです

3. 働くことで社会に貢献できるから

「社会に貢献できなくても生きていける」
 たしかにそうです。

 でも
「自分は何のために生まれてきたのか?」

 この問いに対して「自分が楽しむために」「自分が幸せになるために」だけでは少し弱いと感じませんか?

  • 自分を育ててくれた社会。
  • 楽しみ、よろこび、しあわせを教えてくれた社会。
  • 困っている時、つらい時、悩んでいる時に助けてくれた社会。

 働き続けて社会に貢献できることは、生きた証をのこすことにつながっていきます

生涯の天職を探すための自分への質問10選

 それではさっそく、あなたにとっての「天職」を探してみましょう。

 以下の3ステップで進めていきます。
ステップ1:自分に質問して<経験><得意><好き・やりたい>を挙げる
ステップ2:出てきたものの中から「天職」の候補を探す
ステップ3:行動に移す

「生涯の天職を探すための自分への質問」について回答してみてください。

1. 経験してきたことについて

 はじめは、あなたが経験してきたことについての質問です。

質問1
 あなたが経験してきた仕事は何ですか? 職業名・職種名・業種名ではなく、「●●に対して●●を●●という方法で提供する」といった、具体的な内容で、考えられる限り挙げてください。

2. 得意なことについて

 次にあなたの得意なことを探すための質問を4つ挙げました。

質問2
「これは人に負けない」と思うことは何ですか? あなた自身が感じていること、人から言われること、どちらでも構いません。考えられる限り挙げてください。

質問3
 人から一番よくほめられることは何ですか? たくさんある「ほめられた経験」からひとつだけ選んでください。

質問4
 あなたが今まで人からほめられたことで、一番印象に残っていることは何ですか? たくさんある「ほめられた経験」からひとつだけ選んで、具体的に「いつ、どこで、どんな状況で、誰から、何を」ほめられて、どんな感情を抱いたかを書きましょう。

質問5
 あなたが今まで人から感謝されたことで、一番印象に残っていることは何ですか? たくさんある「感謝された経験」からひとつだけ選んで、具体的に「いつ、どこで、どんな状況で、誰から、何を」感謝されて、どんな感情を抱いたかを書きましょう。

3. 好きなこと・やりたいことについて

 3つ目はあなたの好きなこと、やりたいことについての質問を挙げました。

質問6
 集中して時間を忘れてしまうものは何ですか? 考えられる限り挙げ「なぜ時間を忘れるくらいに集中できているか」の理由を添えて書きましょう。

質問7
 あなたが「人からほめられたい」「人に感謝されたい」と思うことは何ですか? 考えられる限り挙げ「なぜそう思うか」の理由を添えて書きましょう。

質問8
 もし制約(お金やスキルなど)がなければやってみたいことはありますか?
具体的にどんな仕事であるかを、「現時点でできていない理由」も添えて書きましょう? 

質問9
 あなたが「生涯かけてのこしたい」「生きているうちに成し遂げたい」と考えるものは何ですか? 難しい質問ですので、すぐに答えがでないかも知れません。出ない場合は最大1週間かけて考えるようにしてください。

質問10
 あなたが質問9で「生涯かけてのこしたい」「生きているうちに成し遂げたい」と挙げたことについての質問です。あなたがそれを達成できた場合、喜んでくれる人はいますか?
 具体的に「誰」が「どういう理由」でよろこんでくれるも添えて書き出しましょう。こちらも最大1週間かけて考えるようにしてください。

質問の答えに向き合って天職を探す

 10個の質問に答えていただきました。いかがでしたか?

 スムーズに答えられなかった質問があったかもしれません。その場合は、別な日にあらためて考えるようにしてください。

 それでは、10個の質問の回答をひとつずつ見てみましょう。

あなたの経験からのアプローチ

質問1について

質問1 あなたが経験してきた仕事は何ですか? 職業名・職種名・業種名ではなく、「●●に対して●●を●●という方法で提供する」といった、具体的な内容で、考えられる限り挙げてください。

 ここでポイントとなるのは「いかに細分化できているか」です。仕事の経験を質問されると、単純に「営業」「接客業」「広告代理店」など「名称」で言ってしまいがちです。「名称」は分かりやすいのですが「自分が何ができるか」を考える際に視野を狭くしてしまいます。

 そのため「●●に対して●●を●●という方法で提供する」といった「できること」をできるだけ細かく挙げていくのです

 たとえば営業の仕事についてもアポイント、顧客管理、交渉、コミュニケーション、共感、ほめる……様々な要素があります。それぞれの要素について、細かく「自分は何ができるのか?」を具体的に挙げられていますか?

 その一つひとつを見て以下のものがないか「宝探し」をする感覚で探してみましょう。

  • 経験していない人からすると「すごい」スキル
  • 別なものと掛け合わせると大きな力になる可能性があるもの
  • 他の人がマスターしようとすると時間やお金がかかるもの

あなたの得意なことからのアプローチ

質問2について

質問2 「これは人に負けない」と思うことは何ですか? あなた自身が感じていること、人から言われること、どちらでも構いません。考えられる限り挙げてください。

 得意であることは、あなたにとっての大きな武器です。他の人やあなた自身が認識していることであれば、それは武器として十分に成立するもの。その一つひとつと向き合って、生涯の仕事にできるものを見つけ出してみてください。

質問34について

質問3 人から一番よくほめられることは何ですか? たくさんある「ほめられた経験」からひとつだけ選んでください。

質問4 あなたが今まで人からほめられたことで、一番印象に残っていることは何ですか? たくさんある「ほめられた経験」からひとつだけ選んで、具体的に「いつ、どこで、どんな状況で、誰から、何を」ほめられて、どんな感情を抱いたかを書きましょう。

 質問3の「一番よくほめられること」は、他の人からみた「あなたのいいところ」。質問4の「一番印象に残ったこと」はあなた自身からみた「あなたのいいところ」。
 両方の側面からみた「あなたのいいところ」はあなたの「魅力」になります。あなたが安定して成長し続ける「大きな力」になりそうですね。

質問5について

質問5 あなたが今まで人から感謝されたことで、一番印象に残っていることは何ですか? たくさんある「感謝された経験」からひとつだけ選んで、具体的に「いつ、どこで、どんな状況で、誰から、何を」感謝されて、どんな感情を抱いたかを書きましょう。

 感謝されたこと。それは確実に「求められている」もの、つまりニーズがあるものです。ニーズがあれば、それ自体が仕事になる可能性を持っています。

 人から感謝されながらできる仕事は「やりがい」を生みだしますよね。

あなたの「好き」「やりたい」からのアプローチ

質問6について

質問6 集中して時間を忘れてしまうものは何ですか? 考えられる限り挙げ「なぜ時間を忘れるくらいに集中できているか」の理由を添えて書きましょう。

 時間を忘れるくらいに集中できるものを仕事にすれば、ストレスなく成果をあげられる可能性が高いかも知れません。そんな仕事を探してみましょう。

質問7について

質問7 あなたが「人からほめられたい」「人に感謝されたい」と思うことは何ですか? 考えられる限り挙げ「なぜそう思うか」の理由を添えて書きましょう。

 あなたがほめられたり、感謝されたりすることで、その仕事を頑張りたいと思う意欲が高くなります。さらに、その理由を考えることで「あなたがなりたい姿」をイメージしやすくなります。

質問8について

質問8 もし制約(お金やスキルなど)がなければやってみたいことはありますか? 具体的にどんな仕事であるかを、「現時点でできていない理由」も添えて書きましょう? 

 やりたいと思う仕事。でも「お金やスキルがないからできない」とあきらめているものもありますよね。
 制約を外してイメージしてみると、実は形を変えて実現できるものもあるかもしれません。

 できていない理由を解決できないか考え、実現する方法も探ってみてください。

質問9、10について

質問9 あなたが「生涯かけてのこしたい」「生きているうちに成し遂げたい」と考えるものは何ですか? 難しい質問ですので、すぐに答えがでないかも知れません。出ない場合は最大1週間かけて考えるようにしてください。

質問10
 あなたが質問9で「生涯かけてのこしたい」「生きているうちに成し遂げたい」と挙げたことについての質問です。あなたがそれを達成できた場合、喜んでくれる人はいますか?
 具体的に「誰」が「どういう理由」でよろこんでくれるも添えて書き出しましょう。こちらも最大1週間かけて考えるようにしてください。

 生涯かけてのこしたいもの。見つかりましたか?

 人は誰しも偶然が重なってこの世に生を受けたものです。一度しかない人生だからこそ、生きた証をのこしたいと思う人も多いことでしょう。

 私自身の話をさせてください。

 私は若い頃は全く考えたことがなかったのですが、50歳を過ぎて急に「人生のゴール」を意識しだしました。

 そのゴールとは「書くことを通じて世の中の人たちを元気にする」こと。



 書くことはすばらしい。人をしあわせにすることもできるし、悲しんでいる人を笑顔にすることもできる。生涯書き続けて、ひとりでも多くの人に元気を届けたい。

 そう考えることで、漠然としていた自分の軸が見えてきました。

「生涯かけてのこしたい」「生きているうちに成し遂げたい」について真剣に向き合うことで、軸がしっかりしてきます。

 生涯をかけておこなう仕事は、その線上に見えてくるものです。

あなたの天職とのつきあい方

 10の質問であなたの天職と思えるものは見つかりましたか?

 まずは、あなたが生涯つきあっていく「天職」について書き出すことをおすすめします。「●●に対して●●を●●という方法で提供する」といった、具体的な内容で挙げてみてください。

 あなたの一生を左右することです。あせって探す必要はありません。でも、決めない限りはいつまでもスタートできないのも事実です。

 たとえば「これいいかも」と思ったことについて、毎日ブログを書いてみる。このように、まずはダメージを受けない方法で、スタートを切ってみてはいかがでしょうか?