「誰に何を伝えるか?」
SNSやブログの発信で最初に考えるところですよね。ここで1つの疑問が浮かんできます。「誰に」と「何を」のどちらを先にしたほうがいい?
A:伝えたいことが先にあって、そこから「誰に」伝えるかを考える
B:「誰に」伝えたいかを決めたうえで、その人の『悩み』や『願望』を想像し、それをテーマにする
AとB、あなたはどちら派ですか?
どちらがいいかは、発信のスタイル・内容によって異なるので正解はありませんが、私はBをおすすめします。
Aのスタイルだと「読者」のターゲットが、その都度違ってきます。そうなると読者が固定しない。読者がリピーターにならないので訪問者数やフォロワー数が伸びません。せっかく発信しても結果に出ないのは寂しいですよね。
だから「誰に」を先に決めていくことをおすすめしたいのです。
今回の記事では「誰に」の部分を説明していきます。
目次
読者の代表を創造する
私のPCの中には「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」というファイルがあります。そのうち頻繁に開くのは「鈴木さん」というファイル。
「いったい何の話?」
失礼しました。実は「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」は私の読者の代表なんです。
といっても実在人物ではありません。それぞれにモデルにしている人はいますが、基本的には私が創造した空想キャラクターです。
たとえば、Aという記事を書くときに「鈴木さん」を想定読者にしてしまう。つまり、鈴木さんにむけて記事を書いていきます。
Bという記事を書く時は「佐藤さん」
Cという記事を書く時は「山本さん」
この「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」は、
・問題に気づいているかどうか
・行動にうつしているかどうか
によって使い分けているのです。
- 問題に全く気づいていない人に向けて記事を書く時は、想定読者を「鈴木さん」に設定
- 問題に気づいているけど行動できていない人に向けて記事を書く時は、想定読者を「佐藤さん」に設定
- 行動できているけど、何かしらの「つまづき」がある人に向けて記事を書く時は、想定読者を「山本さん」に設定
上記以外にも様々な「想定読者」の設定が考えられます。書く内容によって、読者の層が微妙に違う。たとえば「そこそこ順調に進んでいる人」に向けて記事を書きたいと思ったら「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」に当てはまらないですよね。
記事の内容にあわせて想定読者を設定していく必要がありますが、今のところ私は3名の想定読者のみを設定しています。
なぜなら想定読者を考えるのは大変で、時間がかかるから。
時間をかけないと、書き手が書きやすいように「都合よく」読者のイメージを作ってしまいます。それだと響く文章にはなりません。
私の場合は「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」それぞれの想定読者に向けた記事しか書きません。
その分、この3名の読者代表は進化し続けています。3人がどんどんリアルになっているのです。
それぞれの感情を想像しまくっているので、自然と記事が書きやすくなってきます。
そのうち私の夢の中に「鈴木さん」が出てくることでしょう。
「鈴木さん」をつくってみましょう
ペルソナって言葉ご存知ですか?
「鈴木さん」「佐藤さん」「山本さん」のことです(ここだけ読むと意味不明ですね……)。
たったひとりの顧客を想定して、その人に向けて商品を作っていく。その「たったひとり」の顧客が「ペルソナ」です。文章の場合は、たった一人の読者を想定して、その人に向けて文章を書いていくことですね。
あなたの書いた文章が相手に響く度合いは、ペルソナのことをどれだけ知っているかに比例します。
逆から考えると、あなたが一番よく知っている人をモデルにしてペルソナを作れば、おのずと相手に響く文章が書けるようになります。
あなたが一番よく知っている人、誰ですか?
現在の姿だけでなく、過去の出来事、苦労した経験、悩んだ経験、挫折とそれを乗り越えた経験。
あなたが様々なことを知っている人物が1人いるはずです。
そう、あなた自身。
あなたは今まで「悩み」「苦労」「挫折」を経験したことがありますか?
「全くない」という人はいないでしょう。生きていれば何かしらネガティブな経験をしているはずです。過去のあなたをペルソナにして、経験をもとに「心に響く記事」を書いてみませんか?
「鈴木さん」は過去(5年前)の私をモデルにしたペルソナです。
ただしアレンジをかなり加えているので、実際の姿とは大きく違ってますね。それでいいんです。
- 5年前の私がもしこんな場面に遭遇したら、こうしていただろう
- 5年前の私がもし●●をしなかったら、こうなっていただろう
- 5年前の私がもしこんな行動していたら、こうなっていただろう
いろいろなことが想像できます。はじめは私の分身としてイメージした「鈴木さん」ですが、想像を広げることでキャラが大きく変化していきました。
想像したことを1つのWordファイルにまとめて、1人の人としてどんどん進化中です。進化させるのって楽しいですよ。
もう一人の私の分身「山本さん」
「鈴木さん」は5年前の私から派生した私の分身です。でも実は鈴木さんの他にもう一人、私の分身がいます。「山本さん」です。
山本さんは「行動できているけど、何かしらの『つまづき』がある人」に向けて記事を書く時の想定読者です。
つまり行動できている人。それはいいことですが、行動したらすぐに「結果」が出る。そう思いこんでいる人です。
でも、そんなにうまく進みません。
「うまくいかないこと」「失敗」「迷い」……
必ずと言っていいほど、ネガティブなことがおきます。
過去に挫折した経験を思い出して「また挫折してしまうのか……」そんな状況。
「山本さん」は私がライティングを学びはじめた頃。2年前の姿を元に作り上げたペルソナです。
「佐藤さん」誕生秘話
「秘話」という「たいそうな見出し」をつけてしまいました……
「佐藤さん」は私のペルソナうち、唯一「私」をモデルにしていません。
「佐藤さん」のモデルは以前仕事の取引先の担当だった人。仮にAさんとします。
なぜ、Aさんをペルソナのモデルにしたかというと、イメージにぴったりだったから。
私が「ペルソナ」をはじめて考えた時
- 器用か不器用でいったら「不器用」
- 要領が良いか悪いかで言ったら「要領が悪い」
- とても真面目で一生懸命
- 自分の考えはしっかり持っているけど、つい周りに流されてしまう
漠然とイメージしました。その時にすぐに頭に浮かんだのがAさんだったのです。Aさんとはもう20年以上も会っていません。でも、心の奥底でAさんの存在が残っていたんですね。
「佐藤さん」も独自の進化を遂げているので、実際のAさんとはかなり違ってきています。おそらくAさんが私の書いた記事を読んでも、自分がペルソナになっているとは思わないでしょう。
勝手に想定読者に使わせていただいています。Aさんごめんなさい……
今回は「誰に伝えるか=ペルソナ」についてお伝えしました。ペルソナというと難しそうなイメージを持っているかも知れませんが、難しく考える必要はありません。
- 誰をモデルにするか決める
- その人の特徴を挙げてみる。わからないところは想像する
- どんどん使っていって「進化」させる
このように「楽しみながら」ペルソナを作っていきましょう。