「発信&共感力。誰に何を伝えるかの教科書」シリーズの2記事目。前回は概要をお伝えしましたが、今回は「振り向かせる」。
さて、ここで質問です。「振り向かせる」対象は一体誰でしょうか?
「ブログ記事を目にした人でしょ」
ブログを目にした人全員ですか?
「うん。できればみんなに読んでもらいたいからね」
そうですよね。ついつい「みんなに読んでもらいたい」と思ってしまうんですが、ブログの目的を考えるとそれは間違いなんです。
ブログの目的は
・読んだ人に共感してもらう
・読んだ人に行動してもらう
いくら多くの人に読んでもらっても、その人たちが「共感」も「行動」もしてもらえなかったら意味がありません。だとしたら「共感」や「行動」をしてくれそうな人に絞って、その人たちが反応してくれるメッセージを考えればいいのです。
全員に向けたメッセージでは、本当に読んでもらいたい人に読んでもらえません。読んでもらいたい人を「振り向かせる」。そんな方法をこの記事でお伝えします。
目次
ターゲティングを考える
ターゲティングとは、ターゲットを絞ったマーケティングのこと。読んでもらいたい人を「振り向かせる」ために最初にしないといけないのは、相手がどんな人なのか(=誰に読んでもらいたいのか)をきちんと決めておくこと。これがターゲティングです。
ターゲティングを意識しないと、誰の心にも刺さらない「ふわっ」とした文章になってしまいます。
たとえばあなたが「ジョギング」の大切さをブログで伝えたいとしましょう。どんな人がターゲットとなっていきますか?
- ジョギングの習慣が全くない人
- ジョギングをはじめたばかりの人
- 毎日ジョギングする習慣ができている人
どの人もターゲットにはなり得ます。でも、2や3の人って既に「ジョギング」の大切さを知っているからジョギングをしているんですよね。だから1の人だけをターゲットと考えればいいのです。
あなたが本格的にジョギングをしている人たちのコミュニティーを作りたいと考えているなら、3の人をターゲットにした内容にしないといけません。3の人たちは今さら「ジョギングの大切さ」なんて伝えようとしても振り向いてくれませんので、もっと深い内容の記事にする必要があります。
あなたがジョギングで何度も挫折した経験をもとに「挫折しないでジョギングを習慣化する方法」を伝えていきたいのなら、2の人をターゲットにすべきですよね。
このように伝えたいことに応じて、適切にターゲットを設定することが大切になるのです。
「あなたのため」の話ですよ
ネット上を渡り歩いている人は「ショッピングセンターに買い物にきたお客さん」と同じ。
ショッピングセンターに来る人は、あらかじめ買う商品を決めている買い物客だけとは限りません。「いい商品があったら見てみたいなぁ」と訪れる客もいます。
「あんまり良さそうなモノないなぁ」
ほとんどの品物は視界に入ってもスルーします。
でも、そんな中で
「ん?」「おっ?」「うぉっ~!」って目に飛び込んでくる商品がある。
なにも買うつもりがなかったのに
「いいから買う。買いたい、いますぐ手に入れたい!」
衝動買いしてしまう商品がある。
視界に入ってもスルーしていた商品。
「うぉ~!」って飛びついた商品。
何が違うんでしょうか?
答えはいろいろ考えられますが、私は「感情を動かすパワーの違い」が大きいと思います。
「これ、私の好きなやつだ!」
「こんなの待ってたよ~」
「これで私の悩みが解決する!」
という感じで、見た瞬間に頭の中を「ほしい」という感情でいっぱいにする。
これをブログの記事に置き換えると
「これ、私の知りたかった情報だ!」
「こんな記事待ってたよ~」
「これで私の悩みが解決する!」
ほぼ、一緒ですよね。Web上で目にした記事の中から「読んでもらう」記事にするためには、
この記事はあなたにとってふさわしい、あなたのための話ですよ
こんなアピールをして、ページに訪れた人の感情を動かす必要があります。
振り向いてもらうための3つの手順
それではどうやったら「あなたにとってふさわしい、あなたのための話」を伝えられるか考えてみましょう。ここでは「振り向いてもらう」ための手順を3つお伝えします。
手順1:ターゲットを「きちんと」決める
あえて「きちんと」という言葉を使っています。曖昧なターゲット設定では響くメッセージにならないからです。
仕事に不満を持っている若い男性
一見、きちんとターゲティングができていそうですよね。でも仕事の不満って様々です。
- 給料が安い
- 仕事が単調
- 忙しすぎて大変
- 肉体労働がきつい……
「忙しすぎる」という不満と「給料が安い」という不満とでは、その内容が大きく違ってきます。
同じ「若い男性」でも、18歳と30歳とでは仕事に対しての考え方も大きく違ってきます。
3人の子どもの父親もいれば、独身で親元から会社に通っている人もいる。
環境の違いは、物ごとの感じ方を変えていきます。だから、細かい状況設定を「きちんと」決めておかないと、誰に向けての発信かわからない「ブレブレな文章」になっていきます。
手順2:ターゲットのことを「きちんと」想像する
ターゲットがどんな人かを把握できていないと、そのターゲットをイメージした記事は書けません。
- 普段どんな生活をしているか。
- 何が好きで何が嫌いか?
- どんな悩みを抱えているか?
- 夢や願望はなにか?
- 仲間とどんな会話をしているか?
もし該当する人が身近にいれば直接尋ねてみる。いなければ、ネットで調べてみる。そのうえで、代表的なターゲット像について想像してみてください。
手順1でお伝えした「ターゲットの決め方」と手順2でお伝えした「ターゲット像を想像する方法」については、次回の記事で詳しくお伝えしていきます。
手順3:ターゲットに響くメッセージを伝える
以下の2つのタイトルを比べてください。どちらが数多くの人に読まれる記事になりそうですか?
- ジョギングの大切さ
- 50過ぎからでも遅くない。ジョギングを習慣にする5ステップ
2は対象が絞られていますので「私には関係ない」という人もいるでしょう。だから1の方が読まれると思うかも知れません。
でも、ジョギングの大切さを知りたいと思って「ネット」を検索する人っていますか?
ほとんどいないでしょう。
あなたが別な記事を探しているときに「ジョギングの大切さ」という記事タイトルが目に入ったらどうしますか? スルーしますよね。全く心に刺さらないからです。
一方、50歳前後で「ジョギング」を習慣にしたいけどできていない人にとっては、2の記事は大きく刺さります。
結果的に2の記事のほうが読まれる記事になるのです。
以上、この記事では「発信&共感力。誰に何を伝えるかの教科書」の2回目「振り向かせる」についてお伝えしました。次回の記事は、ターゲットを決めてイメージしていく内容となります。お楽しみに。