「書くことが好きだからライターになりたい」
でも会社員のあなたにとって、真っ先にぶつかるのが「時間がない」問題。1日8時間の仕事に加えて、残業、移動時間、食事、風呂、支度、睡眠の時間……
会社員にとって余裕のある時間はほとんどありません。
わずかに自分のための時間が残っても、家族のだんらん 、友人とのつきあい、テレビ、体力維持のための運動……
時間は限りなくゼロに近づいていきます。
ライターになるためには、文章を書いていかないと上達しません。でも文章を書く時間がない……
そんなあなたのために、スキマ時間を有効に活用してライティングスキルを向上させる方法をお伝えしていきます。
目次
時間の捻出 | 会社員ライターの落とし穴回避
スキマ時間とは、文字通り予定と予定の間の「スキマの」時間のことです。一般的には幅広く、通勤電車に乗っているときなど他のことをできる時間のこともスキマ時間と呼びます。
「時間がない」は行動しないための言い訳
次のどちらを選びますか?
- やることが全くなくて暇で退屈な状態
- やることが沢山あって忙しい状態
限度にもよりますが、2を選ぶ人が多いでしょう。
忙しすぎる毎日が続くと「のんびり休みたい」と思うものの、退屈にはなりたくない。不思議なもので、適度な忙しさを保っている方が充実感があって、かえって気持ちも落ち着きますよね。
そう、人は無意識に「やることがある状態」を求めているのです。
「ライターを目指すんだからその勉強に時間を取ればいいんじゃないの?」
実はそれが難しい。なぜなら人は基本的に変化したくない生き物だからです。変化しないための「言い訳」を常に探している。行動が習慣化できていない人にとって「仕事が忙しい」「時間がない」は、行動しない「都合のいい言い訳」になるのです。
「緊急でない重要なこと」に時間を捻出する
私たちは常に忙しい。忙しすぎるため「緊急なこと」をこなすのが精一杯です。
スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』で提唱されている通り、”緊急かつ重要でないこと” を削ってみる。その結果……それでも時間にゆとりが出てこない。そんな人もいるのではないでしょうか?
私もその一人でした。
ライティングの勉強をしたい。でも時間がない。何もできないまま年月が過ぎていく……。それではいつまでたっても夢は叶えられませんよね。
そこでやったことはひとつ。スキマ時間にライティングの勉強ができる仕組みをつくることでした。
平日のスキマ時間を分析した結果
- スキマ時間なんてそんなにない
- 短い時間や何かをしながらの時間は集中できなから意味がない
- スキマ時間は気分転換の時間にしたい
私自身、スキマ時間の活用についてそれほどメリットがあるとは思っていませんでした。たしかにスキマ時間では机に向かってパソコンを使えるわけではない。できることは限られているので、スキマ時間に何かをしようとせず「気分転換」の時間にしていました。
でも分析してみると多くの時間が捻出できることがわかりました。
内容 | 時間 |
朝のボーっとしている時間 | 0.5時間 |
通勤時間(行き・帰り合計) | 1.5時間 |
昼休み(食事後) | 0.5時間 |
その他のスキマ時間(合計) | 0.5時間 |
<平日1日のスキマ時間合計> | 3.0時間 |
この3時間を有効に活用しないともったいないですよね。
たしかにスキマ時間=気分転換の時間と考えている人もいます。でも、やりたいことが思い通りにできていないときのスキマ時間を思い出してください。
本当に気分転換できていますか?
もしかしたら、頭にネガティブなことばかり浮かんでいませんか?
それでは気分転換になりません。
だから、スキマ時間を最大限に活用してやりたいことをする時間を捻出しましょう。
スキマ時間とタスクとのマッチング
人によって違いはありますが、私と同様に1日3時間程度のスキマ時間がある会社員の人も多いでしょう。この3時間を有効活用していきたいですよね。
「有効活用って、いったいどうすればいい?」
ひとことで言うとスキマ時間を使って行動すること。でも、行動するといっても、何から手をつけていけばいいのかわからないですよね。
そこで、ライティングタスクを分解して、スキマ時間と相性のいいタスク(=机に向かわなくてもできるライティング)をリストアップしていきます。
ライティングタスクを要素に分解
ライティングのタスクは大まかに分けると以下の要素から成り立っています。
1:コンセプト決め
⇒誰に何をどのように伝えて、読んだ人は何を得られるか?
2:構成・章立て
⇒読者にどの様な順番で伝えるか、構成を考えて章を組み立てる
3:タイトル決め
⇒ひとことで読者を惹きつける魅力的なタイトルを考える
4:文章のアイデア出し
⇒各章を構成する文章のアイデアを出していく
5:リサーチ
⇒内容の整合性の確認、説得力のある根拠やその題材をリサーチ
6:執筆
⇒章立てにそって文章を入力していく
7:推敲・校正
⇒仕上げた文章を見直して、さらによいものにしていく
パソコンなしでできるライティングは?
このうち5のリサーチは、スマホを使って検索することもできます。しかし、効率の良さを考えてみましょう。パソコンに向かって時間をとって行った方が断然いいタスクのはずです。
また、6(執筆)と7(推敲・校正)はテキストファイルに入力していくので、パソコンが必要になります。パソコンを広げられる状況なら不可能ではないのですが、じっくりと机で作業した方がはかどります。
1~4のタスクについては、思考のタスクが中心となります。パソコンを前にしたからといって、作業効率が上がるものではありません。むしろ外でさまざまな刺激を受けることで、アイデアがひらめくこともあります。
- 通勤電車で吊り広告を見てネタが浮かんだ
- 風呂に入っているときにアイデアが降ってきた
- 食事を取っているとき、隣の人の会話が執筆のヒントになった
このように、偶発的に浮かんでくるネタをしっかりとメモに残していくと、ネタ作りの大きな助けになります。
「でも、断片的にネタが出てくるだけだと、それが執筆につながらないよね」
たしかにそうです。
だから、スキマ時間の活用には以下の2点が不可欠です。
- あらかじめ執筆につながるように準備をする
- 整理をする時間をとる
スキマ時間を効率よく執筆につなげる方法
スキマ時間を活用するためにもっとも重要なのは、朝の時間の活用です。
30分早起きしましょう。朝弱い? 大丈夫です。30分早く寝ればいいだけですから。スキマ時間を生かすも殺すも朝の30分にかかってくるので頑張りましょう!
では、具体的に30分間で何をするかをみていきましょう。
- その日のスキマ時間を確認 5分
- メインに思考するテーマを3つ決める 15分
- 実際に考えてみる(イメージする) 10分
まず、その日のスキマ時間がどのくらいあるのか、いつスキマ時間があるのかを考えて、書き出してみます(1の作業)。
書き出したスキマ時間に「その時考えるテーマ」を具体的に当てはめましょう(2の作業)。テーマが多すぎると「やること」がブレてしまうし、少なすぎると行き詰まってしまう。だから、テーマは3つくらいが「ちょうどいいライン」です。
そして、実際に考えてみる=イメージしてみる(3の作業)。朝はまだ余計な情報が入ってきていないので、集中できますよね。完成する必要はありません。少しでも考えておくことで、短いスキマ時間でも効率よく自分の考えを引き出せます。
スキマ時間の効率をあげる3つのコツ
スキマ時間をライティングの勉強に活用方法についてお伝えしてきました。この章では活用方法に加えて「成功させるために大切な3つのコツ」をお伝えします。
- メモ帳の活用
- 音声入力の活用
- その日のうちにまとめる
この3点についてみていきましょう。
1.ライティングに欠かせないメモ帳 の活用
メモ帳の使い方。いまさら説明不要ですよね。
思いついたもの、気づいたものをメモしていく……それだけです。
ただ、100%活用していくためには意識した方がいいことあります。
1)ポケットにはいつもメモ帳とペンを入れておく
どんなときでもメモできるよう、ポケットにメモ帳とペンを入れておきます。ポケットに入るサイズのメモ帳を用意しましょう。
ネタが浮かんだら記憶に頼らず、すぐにメモをとるクセをつけましょう。
2)メモしたものはその日のうちに振り返る
メモには要点だけを短時間で書くので、見返してみると何のことだわからなくなることがあります。少しでも記憶が新しいうちに振り返るようにしましょう。
3)「何について書いているか」をメモに付け加える
メモをとっている時は、書いている対象を具体的にイメージできています。でも時間が経つとそのイメージが記憶から消えてしまうもの。必ず「何について書いているか」をメモに付け加えましょう。
2.音声入力でスキマ時間の効率を10倍に
私がスキマ時間を使ってライティングをはじめたのが3年前。その頃も音声入力はありましたが、今のようにスマホで手軽に高精度な音声入力はできません。ひたすらアナログでメモをしていました。
いまはGoogleの音声入力がかなり進化しており、見当違いの変換も少なくなっています(多少はありますが……)。周囲に迷惑をかけない環境であれば、Googleドキュメントなどに音声入力でメモしていけば楽ですよね。音声入力したものは、そのまま原稿にも使用できます。
まだ音声入力を使いこなしていない人は、この機会にぜひ使ってみましょう。
3.スキマ時間でやったことをまとめる
スキマ時間は断片的な時間。一つのことを完璧に仕上げられるわけではありません。スキマ時間に行った断片的なタスクを、その日のうちにまとめましょう。
一日の終わりに15分程度でできます。これをしっかりと行うと、スキマ時間に行ったタスクを効率的に活用できるようになります。
スキマ時間を活用してあなたもライターに!
「1日3時間スキマ時間活用術」はいかがでしたか?
あなたはスキマ時間の存在には気づいていながらも、今まで十分に活用してこなかったかもしれません。その結果「緊急でない重要なこと」に手をつけられていない人もいることでしょう。
「ライティングの勉強は時間に余裕ができたらやる」
そう言っている限り、いつまで経ってもライティングの勉強に取り掛かることはありません。
今日からスキマ時間を見直して、ライターへの一歩を踏み出してみましょう。